2016/08/21
「リングにかけろ」のヒロイン高嶺菊に学ぶ、名トレーナーに必要な5つの資質
リングにかけろが大好きです。
この漫画のヒロイン高嶺菊は、主人公で弟の竜児にボクシングを教えますが、この菊姉ちゃんのトレーナーとしての才能がスゴいんです。
おそらくなん万人かにひとりだけの、おそるべきボクシングの天才だ!!
天才剣崎にそう言わせるほどの菊の資質。
そんな天才トレーナー菊の伝説的なエピソードの中から、名トレーナーになるために必要な資質を抽出してみました。
尚、この記事は、リンかけを楽しんで読んでもらうためのエンタメ記事ですので、マジメにトレーナーになろうとしている人は本気で読まないように!
リンかけと高嶺菊
リングにかけろとは
「リングにかけろ」とは、週刊少年ジャンプに1977年~1981年に連載された車田正美先生の漫画作品。
プロボクサーを目指す少年の高嶺竜児が多くのライバルと闘い、成長していく熱血ボクシング漫画です。
物語の前半は、スポ根&人情の熱血ボクシング漫画でしたが、途中から相手を場外へぶっ飛ばす必殺技の応酬というSFボクシング漫画という領域に踏み込みました。
数々のスーパーブローが登場する、全部で109試合の超大作です。
本作はジャンプで初めて最終回を巻頭カラーで飾った作品であり、これ以降は「ドラゴンボール」と「スラムダンク」しかそれを成し遂げていない。
(poxivより引用)
という、殿堂入りの名作です。
ヒロインの高嶺菊とは
高嶺菊は、主人公の高嶺竜児の姉。二人の父は、非凡な才能をもつプロボクサーでしたが若くして病死。
父のボクシングセンスを受継いだ姉弟は、姉の菊がトレーナー、弟の竜児が選手となり、プロボクサーになる夢を追いかけます。
菊のトレーナーとしての実力がみられるのは、物語前半の竜児が日本Jr.チャンプになるまで。
Jr.チャンプになった後は、トレーナーとしては一歩引いた立場になります。美人に成長した菊の女性としての魅力が強調される展開です。
リングにかけろ1 18 (ジャンプコミックスDIGITAL)より
高嶺菊は、私のなかでは、リングにかけろの美女ランク第2位の美人です。
以下では、菊のトレーナーとしての実力がみられる前半を中心に、トレーナーとしての資質を紹介します。
名トレーナーに必要な5つの資質
リングにかけろを何回も読み返し、優れたトレーナーになるために必要な資質を発見しました。それは以下の5つ。
- 地頭の良さ
- 説明力
- 創造性
- 戦術眼
- フェアであること
地頭の良さ
まず優れたトレーナーのためには地頭の良さが必須です。
コミック第1巻において、菊は名門の聖華学園中等部に転向します。
その初日に以前の学校ではまだ習っていない難しい問題に答える羽目に陥いりますが、地頭の良さを発揮して全問正解します。
地頭が良いと過去の知識からの応用が効きます。
説明力
トレーナーは、ボクシングについての正確で豊富な知識をもっているだけではダメです。
多くの知識やノウハウから本質を見極め、わかりやすく伝え、選手をやる気にさせることが大事です。つまり説明力が必要ということ。
本質を伝える
コミック第1巻において、最初のパンチである左ストレートを竜児に教えるとき、「ボクシングには基本的に3つのパンチで戦う格闘技である」という本質から説明します。
選手は本質を理解することで現在の自分を俯瞰して理解でき、この先に起こるさまざまな問題にもいきあたりばったりにならずに対応できるのです。
やれば出来そうだと思わせる
コミック第5巻では、左フックを竜児に教えています。
私や友人は中学生のときこの説明を見て何度も左フックの練習をしました(ボクシング部でもないのに)。全国の中学生がまねしたくなるほど、「なんか俺にもできそうだ」と思わせる説明力。
菊の説得力には、そんな破壊力があります。
創造性
優れたトレーナーは、効果的に選手の才能をひきのばす道具を発明します。
巨人の星でいえば大リーグボール養成ギブス、リンかけではドラゴンリストです。
付けるだけでパワーアップ
コミック第2巻において、第2のパンチである右のストレートを竜児に教えるさい、自らが考案したドラゴンリストを日常的につけるように指示します。
これにより、竜児のストレートはプロ並みと言われるまで強化されます。
カンタンすぎ!
応用して発展させる
また、コミック第3巻では、フットワークを強化するためにドラゴンリストを応用したドラゴンアンクルを考案します。
菊の考案したドラゴンリストとドラゴンアンクルの効果はすさまじく、強化された左右のストレートとフットワークは都大会編での強力な2つの武器となりました。
この後、ドラゴンリストの重りをさらに増やしていくことで、必殺ブローのブーメランフックの開発につながっていきます。
戦術眼
トレーナーには、試合に勝つために、敵の弱点を見抜き、対処法を考案する軍師としての戦術眼が必須です。
三国志でいえば諸葛孔明、戦国時代なら黒田官兵衛、坂の上の雲なら秋山真之、リングにかけてでは高嶺菊です。
菊の優れた戦術眼を示す3つのエピソードを紹介します。
剣崎戦
コミック第2巻において、竜児は天才剣崎と初めて対戦します。
菊は、オールマイティに完成された剣崎の弱点を見抜きます。
さらには左ジャブのみで勝つ方法を竜児に授け、見事勝利に導きました。
辻本戦
コミック第4巻では、どこを打っても効かない不死身の辻本が登場します。
菊は、辻本がガムを良く食べるという観察からその弱点を見抜きます。
さらにストレートだけでその弱点を打つ方法を考案します。
当初、その方法に天才の剣崎も志那虎も気づけず、菊がズバ抜けた才能を持っていることを知らしめるエピソードとなりました。
おそらくなん万人かにひとりだけの、おそるべきボクシングの天才だ!!
それは、剣崎がこう思うのも当然のすごい方法でした。
あー、このエピソードは何度読んでも面白い!
志那虎戦
コミック第5巻では、神技的ディフェンスとローリングサンダーを武器にする強敵・志那虎と対戦します。
志那虎との対戦前、別の試合を観戦している志那虎のちょとした動きから志那虎の弱点を見抜き、そこからローリング・サンダーを破る方法を竜児に授けました。
常に情報に敏感であり、そしてどう対処すべきかまで提案する。軍師の鏡ですね。
フェアであること
優れたトレーナーは、フェアであることが求められます。
そして、敵の反則を見抜く目、そしてビシっと指摘する度胸も必要です。
コミック第1巻において、剣崎は弱点を見抜かれ竜児に追いつめられます。剣崎がとっさにとったダッキングは、日本アマチュア・ボクシングの競技規定では反則だそうで、菊はそれをしっかりと判定します。 ジャスティス!!
また、コミック第5巻の香取石松vs河井武士戦においても、河合の故意に行った反則を見抜きます。
トレーナーに選手としての才能は必要か
優れた選手が優れたトレーナーになれるとは限りません。
しかし、トレーナーの言葉に説得力を持たせるためには、ある程度の選手としてのスキルは必須です。
以下のモブキャラと戦うシーンを見る限り、菊の戦闘力はそれなりにあったと推測されます。
義父をノックアウトするシーン( コミック第1巻)。
モブキャラをノックアウトするシーン( コミック第1巻)。
不良をノックアウトするシーン( コミック第3巻)。
河合の姉とのバトル( コミック第5巻)。
ただ、影道の野火には全く歯が立たなかったので、それに打ち勝った竜児たちより戦闘力が低いのは間違いないです。
まとめ
名トレーナーになるために必要な資質をまとめると以下のようになります。
- 地頭の良さ
- 説明力
- 創造性
- 戦術眼
- フェアであること
これに選手としての才能もそれなりにあればベターということですね。
菊姉ちゃんの話は、伝説的なエピソードばかりです。
ぜひ、原作コミックを読んで菊姉ちゃんの凄さに感動してください。
リングにかけろをまとめ買いするならこちらが便利です。
車田正美先生の作品をもっと楽しむ
リングにかけろには、剣崎と菊の息子を描いた続編「リングにかけろ2」があります。
また、それ以外にも車田正美先生の代表的な作品として「風魔の小次郎」と「聖闘士星矢」があります。どの作品をとっても、キャラ、技、武器の登場シーンは見モノです。
風魔の小次郎
聖闘士星矢